相続手続きのご依頼後、司法書士は何をしているのか?⑤
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株式や投資信託について
亡くなった方が投資をしている、株式を持っているなどの場合、株式や投資信託は、亡くなった方の名義を引き継いで、相続人がそのまま保有するか、名義変更をして売却後、お金に換価して相続人間で分ける、となることが多いと思います。
株式は証券会社や信託銀行とのやり取りが発生します。銀行の預貯金に比べると、身近ではない方も多いと思います。
証券会社や信託銀行にも銀行と同じように、相続の事務窓口がありますので、そこへ連絡します。オンラインでできるところもあります。
そこでどなたがいつ亡くなったかなどをお知らせして、手続に必要な書類を郵送で取り寄せるところから始まります。
戸籍謄本など(相続人は誰なのか)、遺産分割協議書(誰が何を相続するのか)、印鑑証明書等の書類が必要になります。
その後、株式を引き継いだ相続人の方に、売却していただくという流れです。
引き継ぐためには、亡くなった方が取引をしていた証券会社と同じところに、証券口座を持っている必要があります。口座をお持ちでなければ、作っていただく必要が生じます。
株式や投資信託に関して、司法書士がお手伝いできるのは、基本的には「亡くなった人の名義を相続人の方へ名義変更するまで」になります。
名義変更から売却まで代理できる場合もありますが、その場合は窓口となる相続人の方だけではなく、相続人皆様からのご依頼が必要です。
亡くなった方が株式や投資信託をたくさんお持ちだった場合は、配当金が未払いのままになっていることもよくありますので、郵便物を注意深く確認してもらうとよいかと思います。配当金のお知らせが届いているかもしれません。
また、株主総会の資料や、会社の決算関係の書類も多々届きますので、郵便物の管理が少々大変かと思います。
大手証券会社の他に、最近はネット証券の口座をお持ちの方も増えてきました。ネット証券は、取引の明細や残高の明細がオンライン上で完結していることが多く、郵便物がほとんど来ません。ログインパスワードやIDなどがわからない場合も多く、相続人の方が存在すら気付けないということがよくあります。
証券口座の有無は、「証券保管振替機構」というところに照会をかけることでしらべることができます。5000円~1万円くらいの実費がかかりますが、どこの証券会社に口座を持っているか回答してもらえます。
遺産の手続漏れを防ぐために、お問い合わせをしてみてもよいかもしれません。当事務所では、株式の取引があって、証券口座がどこにあるかわからないという方には、この手続を利用しています。
株式や投資信託については、証券の名義変更や売却が終わっても、配当金がある場合がありますので、配当金の回収が終わるまでは手続きが完了しません。配当金は大体の場合、年に数回しかありませんので、お手続の完了まで半年くらいかかることもあります。
当事務所では、株式などの有価証券についても、しっかりと調査の上で手続きを進めます。安心してご相談ください。